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梅雨、あじさい、水たまり。
雨上がりの道に、大きな水たまり。

人々は次々、水たまりを迂回して通り過ぎていく。

私はふいに、足を止めてしまう。



あの水は、冷たいのかしら?ぬるいのかしら?

真ん中はどのくらい深いのかしら?

真ん中に立ったら、水に映るあじさいはどう見えるのかしら?



そう思うと、まるで子供の様。
知りたくて知りたくて知りたくて知りたくて、、、
足を踏み入れずにはいられない。


いつもそう。
避けて通るおりこうさんにはなれない。



お気に入りの靴は泥水で汚れてびしょびしょ。
足の裏の感触が、心まですこしひんやりさせて。

そしてもう、どこへも行けないような、途方もなく寂しい気持ちになるんだ。
# by miho_sekine | 2011-07-04 16:21 | 日々
君の犬
君の犬が死んだ朝

いつもと同じ雨の朝

新聞になんて書いてないのさ

少しのあいだ泣いてみたんだ

君も帰ってこないんだと

分かった気がして

君に会えないようにね

君の犬にも会えないな



君の僕が死んだ夜


僕の君を殺した朝





君が死ぬはずはない。

君が私を殺すはずがない。

彼が死ぬはずがない。

あの街が死ぬはずはない。

あの時間が死ぬはずはない。


信じていたんだ。
思い込んでいたんだ。

思い込もうとしていただけなのかな。



時間は流れ、そこにあったたくさんのものたちが、消えてなくなって行く。


今日もどこかで、わたしが生まれ、
わたしが死ぬ。

今この瞬間にも。
# by miho_sekine | 2011-05-19 10:54 | 日々
全て光
朝の光りに戸惑う度に 雲の流れはもう忘れてる

なぜ明日なのか なぜ行くのだろう
なぜ忘れるのか そして今夢の中に



もう明日などこなくて良いと思うほどの悲しみの中でも、
ちゃんと笑う事が出来る。

泣きつかれて眠ったら、
ちゃんと朝が来る。

くり返す毎日の中で、
いつか忘れて行く日が来る。



深い悲しみも、
ささやかな幸せも、
受け止めて
両手に抱えて

明日に向かって歩くほかない。

私たちの向かう先は、明日しかない。
# by miho_sekine | 2011-03-08 15:19 | 日々
終わって始まる。
いろんな物事がすーーーっと、泡がひく様に
終わって行くのを感じる。

大切にしていたものや、
そうでもないもの。

大切にしていた人や、
そうでもない人。

習慣や、関係。

音もなく、
終わって行くのを感じる。


終わってしまった事に気づかないほどにそっと去る者もあれば、
深い傷跡を残して行くものもある。


でもそれは何かに導かれる様に、じわじわと。
わたしの意思とは関係なく終わって行く。




ゼロになるのだ。

わたしはまず、全てを失ってゼロになる。


持っていたものを、全て置いて行かなければ
渡れない橋がそこにあるみたい。


渡った先に何があるかは、行ってみてのお楽しみ。
# by miho_sekine | 2011-03-03 15:02 | 日々
アルクアラウンド
笑ってても、泣いてても

嬉しくても、悲しくても

ウキウキでも、しょんぼりでも

暑くても、寒くても

二人でも、ひとりでも

幸せでも、不幸でも


歩く。歩く。
この街を歩く。

この街に、君はいないから
心細いけど自分で道を選ぶの。


遠回りするも、近道するも
わたしが決めるの。


その角を曲がっても、向こうの角を曲がっても、
邪魔する人はいないから。



僕は歩く ひとり見上げた月は悲しみです
僕は歩く ひとり淋しい人になりにけり
僕は歩く ひとり冷えた手の平を見たのです
僕は歩く 新しい夜を待っていた

覚えたてのこの道 夜の明かり しらしらと
何を探し回るのか 僕にもまだわからぬまま

# by miho_sekine | 2011-02-13 23:54 | 日々